2019年4月1日、兵庫医科大学と株式会社島津製作所は「包括共同研究契約」を締結。がんの早期診断システムの開発を目指し、産学連携講座「疾患オミクス解析学講座」を設置した。

 「疾患オミクス解析学講座」は、最先端の研究を行う兵庫医科大学と分析技術や機器等に秀でた島津製作所、両者が有する研究開発能力を活かして、大腸・胃・肺・膵臓・乳がんなど主要がん種の検査法および早期診断システムを開発することが目的。

 研究拠点を兵庫医科大学に設け、同一法人内の兵庫医科大学病院や健康医学クリニックとも連携し、健常者やがん患者の血液検体を収集。それらの検体を、島津製作所の質量分析装置にかけ、「疾患オミクス解析技術」を用いて研究を進めていく。

 オミクスとは、生物を構成する分子(DNA、mRNA、タンパク質、代謝物など)全体をさまざまな階層で網羅的に研究する分野のこと。疾患オミクス解析は、再生医療、医薬品開発など、ライフサイエンス分野において有用な研究手法として起用されている。同講座では、各疾患におけるオミクス階層の変動に注目し、生体内の代謝異常に基づいた疾患の新たな知見を得て、がんの診断・治療に活かす予定。

 現在、健康医学クリニックにおいて健常者の血液検体、兵庫医科大学病院の各診療科において膵がん・大腸がん・乳がん患者の血液検体を収集している。今後は他の種類のがん患者からも検体提供を受ける体制を構築しつつ、健常者と患者の血液検体中の代謝物の量を比較し、複数種のがんの早期発見につながるバイオマーカー※探索を行い、早期がんスクリーニング法の実装化を目指す。

※バイオマーカーとは、疾患の有無や進行度(生理状態)を反映する生体内物質で、生体内の生物学的変化を定量的に把握するための指標。

参考:【兵庫医科大学】~がんの早期診断システム開発をめざして~ 島津製作所と産学連携講座を設置

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大学ジャーナルオンライン編集部

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