名古屋工業大学の平田晃正教授らの研究グループは、新型コロナウィルスの拡大・収束期間と感染者数・死者数には、人口密度と気象条件が関与することをつきとめた。

 これまでの感染症に関する理論モデルでは、温湿度や人口密度などの関連性への考慮が不十分だった。海外の事例解析でも、地域のばらつきが大きく、影響する要因が多いため、感染者数の相違の原因は不明だった。感染拡大防止対策のためにも、その科学的根拠の蓄積が必要とされる。

 研究グループは、コロナウィルスに関する統計データにより感染拡大期間、収束期間、罹患率の県ごとの差について分析。その結果、感染拡大・収束期間は人口密度との関係が強く、「三密」の効果は人口密度で近似されることが判明。さらに、絶対湿度とも強い関係があった。そこで、人口密度・気温・絶対湿度の3変数を用いて多変量解析を実施。実際の拡大・収束期間とよく一致していた。

 また、新型コロナウィルスの累積感染者数・死亡者数も人口密度の影響を受けていた。さらに、累積感染者数を人口密度で正規化すると、高齢者の占める割合、気温、絶対湿度と関係があった。人口密度、高齢者の割合、気温・絶対湿度の最大・最小値の6変数による解析では、予測結果と実際の感染者数によい一致が得られた。ただし、東京、大阪、愛知などの周辺県は、ウィルスの拡大・収束期間が長くなる傾向があった。

 今回の知見は、人口密度に相当するソーシャルディスタンシングの重要性を示唆している。また、高温多湿の条件では拡大・収束期間、感染者数はやや減少する傾向にある。今後のコロナ発生において、人口密度や気象条件による予測結果の提供が期待される。

論文情報:【名古屋工業大学】人口密度と気温・絶対湿度が影響 ー新型コロナウィルスの拡大・収束期間、感染者数・死者数の分析結果についてー(PDF)

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