京都大学では、最近、通信機能や計算機能を備えた腕時計型ウェアラブル端末が普及してきたことを受け、2016年2月の一般入試から試験中に受験生各自の時計の使用を禁止することを発表しました。
京都大学では、入学試験における公平性を確保し、カンニングなど不正が行われるのを防ぐため、2016年2月の一般入試から、受験生が試験会場に入る際、各自で持ち込んだ、腕時計・置時計・スマートウォッチなどの時計の使用を認めず、カバンにしまわせる方針を決定しました。京都大学によると、個人の時計の全面禁止は国立大では初めての試みだということです。
また、京都大学では、各自の時計の使用を禁止にする代わりに、約120ある試験会場に約1千万円以上の費用をかけ、約200個の電波時計をを設置します。電波時計が見えにくい受験生には、要望があれば個別に試験監督者が別の時計を持っていき時刻を示してくれます。すでに、2015年11月の特色入試から先行実施しましたが、特に混乱はなかったということです。このような各自の時計の使用禁止の背景には、Apple Watchなど外部とのやり取りが可能なスマートウォッチの台頭や2011年に京都大学で入学試験中に受験生が携帯電話を使ってインターネットの質問サイトに問題を投稿し、回答を募った不正事件などがあると見られています。北野正雄副学長は、「今後様々な時計が出てくることを考え、一律に禁止することにした。全ての受験生が同じ土俵で受験できる環境を作るのが我々の使命だ」と述べました。
京都大学以外での入学試験における時計の持ち込みについては、センター試験では、2015年から腕時計型端末の使用のみ禁止したほか、慶応義塾大学SFCキャンパスでは、学部内試験に限って時計の利用を禁止するなどしています。