文部科学省は2016年2月16日、2016年度から2020年度までの5年間を計画期間とする国立大学法人、大学共同利用機関法人、国立高等専門学校機構の次期施設整備目標を585万㎡とし、必要な整備額(試算結果)が1兆3000億円になることを明らかにしました。
最重要課題である老朽施設対策は、耐震対策(非構造部材を含む)や防災機能強化、長寿命化を考慮した改修整備を推進させるなど今後5年間の整備量を約475万㎡とし、うち40万㎡を改築する予定。また、大学のスペース不足などに対応する新増築の整備量は40万㎡、大学附属病院の再開発整備は約70万㎡。基幹設備(ライフライン)整備も含めた老朽施設対策が整備額の70%以上を占める9660億円となる見積もりです。
国立大学などが抱える膨大な老朽施設を維持するための改修や改築の費用、新増築の費用に対して、次期5か年計画では、最大毎年約2,600億円程度、5年間で1兆3000億円が必要であると試算されたものの、足元の財政状況は大変厳しく、初年度となる2016年度の予算案では、国費と財政融資資金に東日本大震災復興特別会計を加えても計上額は約30%の803億円にとどまります。文部科学省では、こうした厳しい財政状況の中、国が施設整備費の確保に努める一方、国立大学等の自主性にも配慮しつつ、多様な財源を活用した施設整備を一層推進することが重要とし、2016年度以降、資産の有効活用にかかわる新たな方策の検討を始める方針です。「次期国立大学法人等施設整備5か年計画」の詳細は文部科学省のHPに掲載されています。