文部科学省は2021年度に高等教育無償化の対象となる大学、短期大学が全国1,082校の98%に当たる1,060校となることを明らかにした。対象外は22校で、4月に認定された1,051校のうち、4校が認定を取り消され、新たに13校が認定を受けた。
高等教育無償化は2019年10月の消費税引き上げを原資に2020年度からスタートした。低所得世帯の学生に大学や短大、専門学校などの授業料、返済不要の奨学金を支給する制度で、約25万7,000人の学生が利用している。
2021年度から新たに対象となる大学は山梨学院大学、大阪音楽大学、第一工業大学など8校、短大は有明教育芸術短期大学、明倫短期大学、名古屋文化短期大学など5校。
文科省は運営法人の収支が3年連続で赤字、法人が債務超過、学生数が3年連続で定員の8割未満の3条件すべてに該当する大学や短大を対象から外している。2021年度から対象外となる4校に今後入学する学生は高等教育無償化の支援を受けられないが、既に入学して支援を受けている学生に対しては2021年度も支援が継続される。
新型コロナウイルスの感染拡大で企業の倒産や従業員の解雇など経済情勢が悪化している。このため、家計が困窮する家庭が全国的に増加の一途をたどっており、高等教育無償化の支援を希望する学生が今後、さらに増えるとみられている。