原子力規制庁は、京都大学及び近畿大学の試験研究用等原子炉施設に係る新規制基準への適合性審査の進捗状況を2016年3月9日に報告しました。
現在、日本国内にある大学の研究用原子炉は、京都大学の原子炉(熱出力5MW・中出力炉)、臨界実験装置(熱出力100W・低出力炉)の2基と近畿大学の原子炉(熱出力1W・低出力炉)1基の計3基です。大学の原子炉も、原子力規制委員会が定めた研究炉のための新規制基準に適合する必要があるため、3基は2014年5月以降順次停止し、新規制基準への適合性に係る審査を進めてきました。
これまで行われた審査は、京都大学の研究用原子炉では、公開の審査会合を21回、ヒアリングを91回実施し、臨界実験装置と共用していたディーゼル発電機を専用のものにすることなどを確認しました。同じく京都大学の臨界実験装置は審査を65回実施、近畿大学の原子炉は審査を41回実施し、その結果、3基の原子炉とも合格の見通しが立ったため、6月以降順次運転を再開する方向で進んでいく予定となりました。
各原子炉の今後の予定は、京都大学の研究用原子炉は、2016年3月頃に補正申請を行い、2016年秋頃には運転を再開する予定、臨界実験装置は、2016年3月頃に再補正申請、3~6月に保安規定変更認可、設計及び工事の方法の認可、使用前検査、施設定期検査を経て運転再開の予定です。近畿大学の原子炉は、2016年3月頃に再補正を申請し、4~8月に保安規定変更認可、設計及び工事の方法の認可、使用前検査、施設定期検査を経て9月に運転再開予定です。