早稲田大学理工学術院の梅津信二郎教授、シンガポール南洋理工大学の佐藤裕崇准教授、吉野電化工業株式会社の研究グループは、3Dプリンタとめっきの技術を統合して利用することで、金属とプラスチックから構成される任意形状の立体を造形する技術の開発に成功した。

 これまでの熱溶解式の3Dプリンタでは、金属とプラスチックで構成される立体造形物は融点が大幅に異なるため作製できなかった。

 今回、めっき技術と3Dプリンタ技術を組み合わせた新たな技術を開発することで、融点の問題を解決し、金属とプラスチックで構成される任意形状の立体を簡単に造形出来ることが実証された。この技術はAI/IoT用のデバイスやロボット製品等の今後の発展が強く期待される分野において、今後の開発・研究の加速・促進に貢献すると期待されている。

 研究チームは「今回開発した金属とプラスチックのハイブリッド3Dプリンタによって、画期的なデバイスやロボットを製造していきたい」とコメントしている。また今回の技術において金属膜のプラスチック表面への密着性が予想よりも高いという嬉しい誤算があり、今後は密着性を向上させているメカニズムを解明していくという。

論文情報:【Additive Manufacturing】Metal-Plastic Hybrid 3D Printing Using Catalyst-Loaded Filament and Electroless Plating

大学ジャーナルオンライン編集部

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