神戸大学大学院、名古屋大学大学院、愛知医科大学、高知工科大学の研究グループは、友人からの「コミットメント・シグナル」に応じて、友人との関係の価値が、経済的価値全般を計算するのと同じ部位である眼窩前頭皮質で判断されていることを明らかにした。

 友人のために時間を使ったり、注意を払ってあげたりすることは対人関係へコミットしていることを示すもので「コミットメント・シグナル」と呼ばれる。このシグナルにより、相手との関係はより大事だと考えるようになる。今回、このコミットメント・シグナルに応じて、相手との関係の価値を判断する脳部位を調べた。

 実験には20代の男女22人が参加。脳機能の計測にはfMRI(機能的MRI)を使用した。10種類の場面(「自分の誕生日に友人と食事に行く」など)をつくり、それぞれに、友人が食事をおごってくれるなどの場面(友人の経済的な「コストあり」)、口頭で祝福してくれるなどの場面(「コストなし」)、何も言わない場面(「シグナルなし」)の3種類の分岐シナリオを用意。この計30種類の場面を別々の出来事として想像してもらい、脳の活動状態を検証した。

 実験の結果、眼窩前頭皮質という部位に活動が認められ、「コストあり」シナリオで最も強く活動し、「シグナルなし」では最も活動が弱まった。この脳部位は経済的価値の計算などをする部位で、関係の価値も経済価値と同じように計算されている可能性があることが分かった。

 さらに、今回の実験では、孤独感が高い人ほど眼窩前頭皮質の活動が弱い可能性が示されたが、これは今後の研究課題としている。研究の進展により、よりよい対人関係を構築するためのメカニズムの解明が期待される。

論文情報:【Social Neuroscience】Role of the orbitofrontal cortex in the computation of relationship value

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大学ジャーナルオンライン編集部

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