関西大学社会安全学部の近藤誠司研究室は、聴覚障害者の実態を捕捉するため、滋賀県草津市に在住する聴覚障害者328人を対象に防災意識調査を行った。その結果「高齢の障害者」が多数を占め、災害時の支援者問題、社会的孤立の問題、コミュニケーション問題など、多くの課題を残していることがわかった。

 聴覚障害者のコミュニケーション方法として、「手話」や「スマホ」は3割弱で、最も多くの人が選択したのは「発声」だった。これは失聴者よりも難聴者が多いためで、コロナ禍においてマスク等を着用したり、声のボリュームを抑制したりすることが、コミュニケーションの障壁となることが推察される。避難所に求めるものとしては、聴覚障害であることを示すヘルプマークが多くあげられた。

 次にコロナ禍において、聴覚障害者であることによって困ったこと、嫌なことがあったか尋ねたところ、22.7%の人が「ある」と回答した。「発声」や「口話」の場面で周囲からの理解や協力を得ることができずに苦境に陥っていた人が大勢いることがわかった。近藤准教授は、「自分自身では困難を解消できない“社会的孤立”の問題について、今後、より深く調査・検討する必要がある。行政支援に限界や制限があるなかで、一つの活路を見出すとすれば、聴覚障害者同士の世代間交流を賦活する仕組みづくりが要請される」とコメントしている。

参考:【関西大学】■ 社会安全学部・近藤誠司研究室が聴覚障害者の実態を捕捉 ■コロナ禍における聴覚障害者の防災意識調査~ 滋賀県草津市におけるアンケートから ~(PDF)

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大学ジャーナルオンライン編集部

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