東京大学生産技術研究所とみずほ情報総研、理化学研究所、日本造船技術センターの研究グループが実施したスーパーコンピューター「富岳」による大規模数値流体シミュレーションに関する研究が、ゴードン・ベル賞の最終候補に選出された。
東京大学によると、研究では「富岳」をはじめとする最新鋭のスーパーコンピューターに適した革新的なアルゴリズムを考案することにより、スーパーコンピューター「京」と比べて70倍以上高速の流体数値計算を実現した。
さらに、これまで水槽実験や風洞実験で評価されてきた船舶、自動車などの性能試験が、コンピューターによる数値シミュレーションで完全に代替できる可能性も証明された。今後、多くの産業分野で応用が期待できる。
スーパーコンピューター「富岳」は「京」の後継機で、2020年6月に世界最高性能を記録した。総合力世界最高レベルのスーパーコンピューターとして2021年度から供用開始されることになっており、科学的な課題の解決で日本の成長に貢献し、世界をリードする成果を生み出すことが期待されている。
ゴードン・ベル賞は高性能並列計算を科学技術分野に適用した功績が最も顕著な研究に贈られている。今年は11月16日から19日にかけてオンラインで開催される高性能計算に関する国際会議で発表される。
参考:【東京大学生産技術研究所】スーパーコンピュータ「富岳」による大規模数値流体シミュレーションに関する研究がゴードン・ベル賞の最終候補に選出