新型コロナウイルス感染症感染予防のため、春学期の授業やオープンキャンパスが次々とオンラインに切り替わった2020年度。東洋学園大学現代経営学部「マーケティング戦略/プロジェクトマネジメントゼミ」(本庄加代子准教授)では、オンライン授業を通じてVRを活用した「360度オンラインキャンパスツアー」を企画し、8月のオープンキャンパスで実現させた。
2020年8月開催の東洋学園大学のオープンキャンパスは、オンラインと事前予約での見学を組み合わせて実施することになった。そこで本庄ゼミの学生たちが発案したのが、当日来場できない高校生でもVRゴーグルを使い、360度カメラの映像で大学内を自由に見学できる「360度オンラインキャンパスツアー」だった。
オンライン授業の始まった春学期、本庄ゼミでは5月にVRの世界で“創造神”と呼ばれる人気クリエーターの田名部康介氏をアドバイザーとして招き、オンライン会議やSNSでの情報共有を重ねた。VRゴーグルの蓋に受験生へのメッセージを入れるなど、細部にもこだわって練り上げた企画は、大学職員に対してプレゼンテーションを経て、オープンキャンパス特設ページにて360度VR企画の公開に至った。
企画に参加したゼミ学生は「実際に、見るのとやるのとでは全く違う能力が必要であることを実感した。田名部康介氏へのプレゼンをきっかけに、メンバーの情報共有不足や企画のクオリティの低さに気づいたことがターニングポイントになった。メンバーの役割分担を明確にするなど、企画の進め方を仕切り直した」という学びや「自分が企画したVRゴーグルが、実際の受験生の手に渡っていると知り、本当に感動した」「高校生が本学を知るキッカケとなっていると聞いて、ホッとした」という充実感が得られたようだ。
また、オンラインでのゼミ活動については「オンラインの方が、時間を有効に使える側面もある。ゼミ時間外での自主的な活動がしやすくなり、率先して動くメンバーが増えた。今後も対面とオンラインを上手く組み合わせながら、効率的にプロジェクトを進めていきたい」という前向きなコメントもあった。
本庄ゼミでは、前例の少ない企画を立案、実践する中で、期限内に成果を出す、プロジェクトマネジメント教育を重視。秋学期以降も、デジタルネイティブ世代である大学生ならではのドローンや360度カメラを使ったプロジェクトを計画している。