香川大学医学部医学科に在籍する6年生の朴世薫さんは、細胞内でDENND1Bという分子が線状集合体として存在する新たな構造を発見した。この構造は、これまで世界的にも全く報告がない未知のものであり、本成果は、朴さんが筆頭著者となる論文として、ドイツ組織化学会誌Histochemistry and Cell Biology(Springer Nature発行)オンライン版に11月3日付けで公開された。在学中の学部学生が国際的な学術専門誌に筆頭著者として論文を発表するのは非常にまれだという。

 朴さんは、2年生のころから講義や実習の合間をぬい、組織細胞生物学講座の研究室で、GFP蛍光タンパク質を融合させた分子の挙動を生きた培養細胞内で観察する(ライブセルイメージング)研究を自主的に行ってきた。今回、GFP融合DENND1Bタンパク質の細胞内局在をライブセルイメージング技術で観察していたところ、細胞内基底側にDENND1Bが線状集合体の形をとって存在する構造を見出した。DENND1Bタンパク質はRab35タンパク質の活性化因子として知られているが、この構造では、接着性培養細胞の基底側、特にラメリポディア(偽足)の基部に見られたことから、Rab35活性化には関与せず、細胞の接着や移動に関連して機能する構造と推測された。

 これまで全く報告されていないこの新たな細胞内構造について、今後さらに機能や分子機構についての研究を発展させることができれば、ひいてはがん細胞の湿潤メカニズムの解明にも貢献が期待されるとしている。

論文情報:【Histochemistry and Cell Biology】A novel DENND1B-localized structure found at the basal side of adherent cells

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大学ジャーナルオンライン編集部

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