不要不急の外出制限など新型コロナウイルス感染拡大防止に向けた行動規制が研究者に大きな影響を与えていることが、東北大学災害科学国際研究所、東北大学大学院医学系研究科の調査で分かった。

 東北大学によると、調査には災害科学国際研究所の三木康宏講師、中鉢奈津子特任准教授、今村文彦教授、伊藤潔教授らの研究グループが当たった。

 研究グループは6月、研究者1,963人を含む全国の20歳以上の男女1万557人を対象とした新型コロナ行動規制の影響調査をし、結果を分析したところ、「仕事や研究活動に影響があった」「ハラスメントを受けた・与えた」と答えた割合が研究者でより高かった。

 さらに、この調査に参加した研究者のうち、300人に対して詳細な聞き取りをした結果、ハラスメントを受けた割合や、「モチベーションが著しく低下した」「モチベーションが低下した」と答えた人の合計は、女性の方が高いことが明らかになった。

 研究活動の制限が高かったグループでは、将来の不安やモチベーションの低下が著しいことも分かった。研究者は研究資金の獲得やポストの確保などで常に不安定な心理に陥りがちなことから、研究グループは行動規制がそうした不安を増幅させた可能性があるとみている。

論文情報:【Progress in Disaster Science】Impact of COVID-19 restrictions on the research environment and motivation of researchers in Japan

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