淑徳大学(千葉県千葉市)コミュニティ政策学部の矢尾板俊平研究室は、選挙権年齢の18歳以上への引き下げを受け、主に高校生向けの「主権者教育」の教材を独自に作成。テキストをインターネット上で公開している。教材は、授業で活用できるワークシート形式になっており、学生自ら現代社会の問題を発見し、考え、より良い「答え」を見つけてもらうことを目的に作成されているのが特徴だ。

 公開された教材は「未来を選択する力を身に付けるテキスト」と題し、「経済」「地域」「財政」「社会保障」「子どもに関わる政策」「教育」「働き方」の7テーマを用意。投票先を選ぶ力を高めることができるよう設計されている。
例えば「財政」のテキストでは、「予算」や「財政の持続可能性」などをキーワードに新聞記事を集め、学生に事前学習させる。次に、授業で4~5人のグループに分かれ、「消費税増税は必要か」について意見を交換したり、更に詳しい資料を確認したりする。その上で出た意見を元に、現状や課題、やるべきことなどをまとめて政策を考える機会を与えることで、社会問題を主体的に考えることができるようになる、という流れになっている。

 また、教員が実際の授業で活用することを意識し、50分版と110分版の「ワークショップの進め方」マニュアルや、学習成果を測定するための採点表「ルーブリック」も用意。採点表は、「データを読み解く力」「解決策の提案力」「プレゼンテーション力」など6分野の評価シートがあり、終了後に自分だけでなくほかの学生についても記入できる。自他の評価の違いが分かり、改善すべき点が分かりやすくなるほか、回数を重ねれば成長の有無も見えるといった仕組みだ。

 選挙権年齢の18歳以上への引き下げは、昨年2016年6月の公職選挙法改正で決まり、今夏の参院選で適用される。文部科学省と総務省は昨年、ディベートや模擬選挙のやり方などを盛り込んだ副教材を作成し、全国の高校に配布しているが、矢尾板准教授は学校によってはその教材通りにやるのは難しいケースもあるのではと考え、学生らのアイデアも借りながら、より使いやすいテキストの作成に取り組んだ。

 なお、テキストは「ワークショップ」形式で進めていくことを想定した教材であり、日程調整ができれば、出前講義としてファシリテーターを大学から派遣することも可能だという。

参考:【淑徳大学】主権者教育用教材「未来を選択する力を身に付けるテキスト」

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