芝浦工業大学では、教職学(教員・職員・学生)協働でオンラインを活用した授業の質向上に取り組んでいる。今回その取り組みが、文部科学省のWebサイトでコロナ禍の中で学生の理解・納得を得るための大学の工夫例の一つとして紹介された。
芝浦工業大学では、コロナ禍において前期は全授業をオンラインで実施。後期は約3割を対面として、オンラインを活用した「ハイブリッド授業」「ブレンディッドラーニング」など対面とオンラインを併用した新たな授業スタイルを教職学協働で構築した。
より質の高いオンラインを活用した授業を構築するため、2020年4月から12月まで全13回にわたって研究会を実施。非常勤講師や各部署を横断して授業のサポートにあたる職員も含めた教職員で、オンラインを活用した授業のための知見を共有した。さらに、学生自治会が行った学生アンケートや、大学と学生団体との意見交換会の意見などから学生の声を吸い上げ、反転授業の実施方法、遠隔授業での学修成果の評価の方法、オンラインでのPBL(プロジェクト型学習)や研究室の運営方法、障がいをもった学生への合理的配慮などをテーマに話し合い、後期の授業開講方針を決定した。
15人の教員と500名の学生による大規模PBL(問題解決型)の授業では、3つの大教室、46班のディスカション用の小部屋、教員の協働作業用の仕組みを全てクラウド上に構築し、授業の準備からプレゼンテーション、成績評価の全てをオンラインで実施した。
今後、反転授業などオンラインを活用したブレンディッドラーニングの割合を増やして授業(特に講義科目)の理解度を向上させるほか、対面での受講とオンラインでの受講を組み合わせたハイブリッド授業などを実施する。また、「コロナ禍」のみならず「コロナ後」も、教育にオンラインツールを積極的に活用し、教育・学修成果の質保証に取り組んでいく。
※文部科学省のWebサイトでは、芝浦工業大学を含め、コロナ禍の中で学生の理解・納得を得るための大学の工夫例として、全国13の国公私立大学の取り組みが紹介されている。