エジプト考古省とNPO法人・太陽の船復原研究所(東京、所長・吉村作治東日本国際大学学長)などが進める古代エジプトの「太陽の船」復元に、奈良女子大学が参画する。理学部の中澤隆教授らが船の木片や布に含まれたタンパク質成分の分析を進める。

 奈良女子大学によると、エジプト考古省保存修復部のイーサ・ジダンさんが奈良女子大学を訪れ、太陽の船のうち、第2の船の木片や布など5種類のサンプルの調査を依頼した。これを受け、中澤教授らが質量分析装置を利用し、サンプルに含まれる可能性があるコラーゲンなどタンパク質の成分を分析する。

 太陽の船はエジプト・ギザの大ピラミッド付近で発見された2隻の船で、約4,500年前に古代エジプト・古王国時代第4王朝のファラオだったクフ王のために造られたとされる。何のために造られたかははっきりしないが、太陽神ラーのところへ復活した王を運ぶ儀式の船に似ていたことから、こう呼ばれるようになった。

 このうち、第1の船は全長42.32メートル、全幅5.66メートル。既に復元を終え、ギザの太陽の船博物館に展示されている。

 第2の船は解体した形で発掘され、600以上の木片を組み合わせて復元される予定。第1の船にはなかったマストなども見つかっている。水上で使用された形跡があることから、クフ王の死後ギザまで王の死体を運んだか、生前のクフ王が巡礼に使ったのではないかといわれている。

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