横浜市立大学は、所蔵する古地図コレクションをデータベース化し、WEBサイトでの公開開始。「マテオ・リッチ世界地図」、「蘭学・洋学系世界図」、「仏教系世界図」など約200年前の貴重なコレクションが、初めて一般公開されている。
今回公開するデータベースは、地理学者で、同大学の教授、図書館長を歴任した故・鮎澤信太郎氏が収集した貴重なコレクション。鮎澤氏の研究対象はほとんどが前人未到の分野だったことから、資料はそのまま江戸期地理学の基礎資料となっており、日本でも有数の古地図コレクションとして評価されている。これまでは現物閲覧による劣化を防ぐために、一部の研究者に限り閲覧可能だった。
データベースの作成は、同大学学術院国際総合科学群の松本郁代准教授が担当。江戸時代から明治時代の古地図画像、書誌282点が地域別・種類別に閲覧可能で、分類や資料名、作者名など検索機能も備えている。また、画像は高画質で保存・公開されており、地図上に記載された細かな文字情報まで確認することができるという。
横浜市立大学は、平成 23 年度から25 年度にかけて、横浜市の支援を得て教職員と学生がデジタルアーカイブ化を開始。並行して市民講座の開催や図録の刊行、横浜市歴史博物館との展覧会共催など活動を行ってきた。これらの取組みが認められ、今回のデータベース公開は平成 27 年度に採択された日本学術振興会科学研究費助成事業のもとに実現した。