働く目的を「楽しい生活をしたい」と答える新入社員が4割を超え、過去最高を記録したことが、日本生産性本部と日本経済青年協議会の意識調査で分かった。「自分の能力を試す」や「社会に役立つ」は低下を続け、マイペースな若者気質が浮き彫りになったといえそうだ。

 調査は3月から4月にかけ、東京都内であった2016年度新社会人研修村に参加した企業の新入社員を対象に実施し、1,286人(男性788人、女性497人、性別無回答1人)から回答を得た。

 それによると、働く目的で最も多かったのは「楽しい生活をしたい」の41.7%で、過去最高を更新した。逆に「自分の力を試す」は過去最低の12.4%、「社会に役立つ」も9.3%と低落傾向が続いている。「経済的に豊かになる」は27.0%と上昇傾向に転じた。

 働き方については「人並みで十分」が58.3%と過去最高を記録する一方、「人並み以上」が34.2%に急低下。会社のために身を粉にして働くより、私生活も大事にしながらほどほどに頑張りたいという気質が浮かんだ。

 昇進したいポストについては、男性で「部長」の24.1%、女性で「専門職」の22.3%がトップ。社長は男性で15.9%、女性で2.8%とともに大きく低下した。「役職に就きたくない」や「どうでもいい」は男女とも伸び、全体で20.0%に達している。

 生活を仕事中心にするか私生活中心にするかについては、「仕事中心」が8.6%だったのに対し、「私生活中心」が11.0%と上回った。「両立」という回答が80.3%と最多であるものの、意識が私生活の方に向く傾向もうかがえる。

 「デートの約束があるときに残業を命じられたらどうするか」という質問に対しては、76.9%が仕事を選んだが、デートも22.6%に達し、2015年度調査を3.6ポイント上回った。

参考:【公益財団法人 日本生産性本部】平成28年度 新入社員「働くことの意識」調査結果

大学ジャーナルオンライン編集部

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