東海道の西の起点として知られる、京都・鴨川の三条大橋。京都産業大学現代社会学部の鈴木康久ゼミでは、三条大橋の約70年ぶりとなる全面改修を多くの人に知ってもらい寄付につなげようと、広報ポスターを制作するなど、寄付制度の認知向上に取り組んでいる。
三条大橋は室町時代の造営とされ、木製の高欄の擬宝珠(ぎぼし)は豊臣秀吉による改修工事で設置されたという歴史ある橋だ。その後何度も架け替えられ、現在の橋は1950年の改築を最後に約70年が経過(木製高欄は1974年に更新)。安全性には問題ないものの老朽化が進んでいることから、京都市は2020年から「三条大橋の補修・修景」事業を開始した。
鈴木康久ゼミは「水がむすび、新たな価値を生み出す社会」をテーマに活動している。鈴木ゼミに所属し、三条大橋の魅力を伝える活動をしている学生5人からなる「三条大橋チーム」は、70年ぶりの三条大橋全面改修に向け、京都市橋りょう健全推進課から「企業版及び個人版のふるさと納税を利用した三条大橋への寄付制度の効果的な広報方法の調査、検討」という課題を受けた。
この課題に応えるべく、「三条大橋チーム」は、ジクソーパズルのピースを寄付に見立て、寄付が集まり、改修につながるイメージをデザインしたポスターを製作した。ポスターは5月9日まで京都市営地下鉄の全ての駅構内に掲示されるほか、京阪系列バス4社が運行している路線バス(約500台)に掲示される予定。
さらに、三条大橋の価値を広く知ってもらおうと、京都洛中で長年京都の人々から愛されている佐々木酒造株式会社と協力。ポスターのデザインを日本酒「古都」のラベルに使い、京都市のふるさと納税返礼品として「三条大橋限定ラベルの日本酒」を制作した。この三条大橋限定ラベルの日本酒は、ふるさと納税返礼品だけでなく、佐々木酒造株式会社の店舗にて1か月限定で購入できる。