就職活動中の大学生や大学院生の4人に1人がセクハラを経験していることが、厚生労働省の調査で明らかになった。性的な冗談や食事、デートへの執拗な誘い、性的な事実関係に関する質問などで、怒りや不安を感じたり、就職への意欲が減退したりするなど、就活生の心身に影響が出ていることも分かった。

 調査は2017~2019年度に就職活動やインターンシップを経験した男女1,000人を対象に実施した。それによると、就活などでセクハラを経験した学生は25.5%おり、女性よりも男性、特に男性の大学院生で被害が目立った。

 受けたセクハラの内容で最も多かったのは、性的な冗談やからかいの40.4%。次いで、食事、デートへの執拗な誘いの27.5%、性的な事実関係に関する質問の23.6%。性的な関係の強要を受けた事例も9.4%あった。

 セクハラを受けた場面はインターンシップが34.1%で最も多く、企業説明会やセミナーの27.8%が続いた。セクハラの行為者はインターンシップで知り合った企業の従業員が32.9%、採用面接の担当者が25.5%、企業説明会の担当者が24.7%。

 セクハラを受けた結果、怒りや不安を感じた人は44.7%に達し、36.9%は就職活動に対する意欲を減退させていた。何度もセクハラを経験した人には、学校を休んだり、入院したりした事例があり、深刻な影響を心身に受けていることが明らかになっている。

参考:【厚生労働省】令和2年度厚生労働省委託事業 職場のハラスメントに関する実態調査報告書(概要版)(PDF)

大学ジャーナルオンライン編集部

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