大学入試センターが大学入学共通テストの参加大学から徴収する成績提供手数料を値上げしようとしていることについて、公立大学協会は参加大学の財政基盤に打撃を与え、大学運営に影響が及ぶことがないよう国が大学入試センターに適切な財政措置を施すことを求める文書を文部科学省に提出した。

 公大協によると、文書は会長職務代行者の香取薫副会長(青森公立大学学長)名で、萩生田光一文部科学相あて。文書は大学入学共通テストが参加大学と受験生を直接の受益者として実施されているが、障害を持つ受験生への対応や受験生の経済的負担格差の是正など国の社会的課題に対応する側面を持ち、受益は社会全体に広がるとしている。

 そのうえで、大学入試センターがその役割を確実に果たし、参加大学の財政基盤に打撃を当たることがないようにするため、国が財政措置を実施するよう求めている。

 大学入試センターは少子化による受験生の減少で収支が悪化していることから、参加大学から集める成績提供手数料を2021年の1件当たり750円から2022年は1件当たり1,200円、2023年は1件当たり1,500円に引き上げる方針を固めた。受験生が負担する検定料は据え置く。

 これに対し、参加大学からは国の財政支援減少で大学経営に厳しさが増しているとして、成績提供手数料の大幅値上げに不満の声が上がっている。

参考:【公立大学協会】大学入学共通テストにかかる財政措置に関する要望を手交しました

大学ジャーナルオンライン編集部

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