群馬大学が小児用超小型人工心臓の開発費調達を目指して進めていたクラウドファンディングが、目標額の3,000万円を達成した。2023年2月末ごろまでに試作1号機を仕上げる計画。クラウドファンディングは終了したが、人工心臓開発費に対する寄付は群馬大学で引き続き受け入れる。
群馬大学によると、このプロジェクトは「小児重症心不全患者を救いたい!超小型人工心臓の開発」で、大学院理工学府の栗田伸幸准教授が実施責任者を務めた。寄付募集の開始から当初の目標を上回る勢いで支援が続いて59日間で3,088万円が集まり、目標金額とした3,000万円を達成した。
人工心臓は心臓のポンプ機能を代行する装置。薬による治療が難しい患者には、心臓移植が有効だが、実際に提供者が見つかって移植が実現するまでに平均4年程度かかっており、待機中に人工心臓を使用する。特に、小児は心臓提供者が少ないため、成人以上にこの待機期間が長くなる傾向があるが、事業化が難しいこともあって、小児用人工心臓の開発が遅れている。
群馬大学は超小型の磁気浮上モーターを使い、長期間使用できる体内埋め込み型の人工心臓を開発する計画。試作1号機を2023年2月末ごろまで、2号機を2024年6月末ごろまでに開発し、小児の重症患者に使用したい考え。
参考:【群馬大学】群大初のクラウドファンディング3000万円達成 目標額の4倍超のご支援をいただき、ありがとうございました(PDF)