英国の大学評価機関・クアクアレリ・シモンズの研究分野別世界大学ランキング2022年版で、日本の大学はトップクラスがアジア最高峰にいるものの、全体ではさらに地位を落としていることが明らかになった。
クアクアレリ・シモンズの日本地区公式パートナーになっている河合塾グループのKEIアドバンスによると、研究分野別世界大学ランキングは51の研究分野と5つの学問領域について、世界1,543大学の状況を測定した。
上位50に入ったアジア地区の大学の研究分野は398あったが、このうち中国本土が105、香港が76で、日本の72を上回った。日本は2019年版で79だったが、7つ数を減らしている。日本の研究分野のうち、16%が順位を上げたのに対し、48%が順位を下げており、日本の大学の苦戦ぶりがあらためて浮き彫りになった。
上位50に入った研究分野を持つアジア地区の大学で最も分野数が多かったのは、東京大学の41。2位は韓国のソウル大学校38、3位は中国の北京大学37。日本の大学では京都大学が16で9位に入っている。日本のトップクラスの大学は依然、アジア最高峰にいることが確認できる。
クアクアレリ・シモンズのベン・ソーター上級副社長は「日本の大学が苦戦しているのは過去10年間の科学技術研究に関する支出が世界の競合校に後れを取ったから。少なくとも今後5年間はばん回の動きがランキングに表れないのではないか」と分析している。
参考:【KEIアドバンス】英国 Quacquarelli Symonds社 『研究分野別QS世界大学ランキング』発表~日本の大学は研究への投資停滞と競争激化により苦戦中~