東京都市大学、TIS株式会社、岡山理科大学、工学院大学は、コミュニケーションツールが自己開示に及ぼす影響について検証・考察を行い、ビデオチャットよりもVRアバターの方が自己開示を促すことを明らかにした。
自分のことをありのままに伝える自己開示は、親密な対人関係の構築・維持に重要だ。一方、持続可能な開発目標(SDGs)や新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の観点から、オンラインコミュニケーションツールが注目されている。コミュニケーションツールが伝える外見や振る舞い(視線・表情・ジェスチャなど)などの社会的手がかりが少ない方が、自己開示が促されるとされる。
今回、一般募集した20~59歳の男女54ペア(108人)のユーザーを対象に、「ビデオチャット」、「外見がユーザーと類似しているVRアバター」、「外見がユーザーと類似していないVRアバター」の3つのコミュニケーションツールを用いて、ユーザーの発話内容の自己開示度合いや韻律的特徴量を評価。その結果、ビデオチャットよりもVRアバターを介した方がユーザーは自己を開示することが分かった。
さらに、ユーザーはVRアバターを介すと、ビデオを介した場合よりも自己を開示するが、ユーザー自身の認識には違いを認めなかった。これは、VRアバターを介すと、ユーザーはそのことに特段意識せずに自己を開示し得ることを意味し、人の率直な思考や感情を理解したい局面でのVRアバターの有用性を示唆する。
今回の研究成果により、今後、カウンセリングや1on1ミーティング、マッチングなど新たなVRソーシャルアプリケーションの設計に役立つことが期待されるとしている。
参考:【東京都市大学】オンラインコミュニケーションツールを比較し、自己開示の効果を検証 ―VRアバターはビデオチャットよりも素の自分をさらけ出す。―