医療臨床研究マッチング協議会が2017年度の研修医マッチング結果をまとめたところ、地方の病院で研修が決まった医学生が過去最高の58.9%に達したことが分かった。大学病院で研修する割合は41.4%で、前年度の42.7%を下回り、過去最低を更新している。研修医の間で大学病院の人気は依然、低迷したままだ。
新人医師が医療現場で指導を受けながら技術の向上を目指す臨床研修制度は、医学生の希望と病院の募集条件をマッチングして行き先を決定している。
医療臨床研究マッチング協議会によると、2017年度の研修希望者は9,969人で、うち9,726人が研修希望先を登録した。このうち、内定したのは9023人。78.8%が第1希望、97.4%が第3希望まででマッチングした。
内定者のうち、東京、神奈川、愛知、京都、大阪、福岡の6都府県に研修先がある医学生は41.1%の3712人。残り5311人はその他の41道県で研修を受ける。大都市圏の研修医割合は9年連続で減少し、地方で研修を受けるケースが増えている。
研修医を受け入れる大学病院のうち、東京都の昭和大学病院、大阪府の大阪市立大学医学部付属病院など34施設は定員通りの研修医を確保した。神奈川県の聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院、大阪府の関西医科大学総合医療センターなど8施設は募集した研修医全員を自大学出身者が占めている。
しかし、研修医受け入れ先のうち、大学病院が占める割合は41.4%の3,738人。前年度の42.7%を下回り、人気が低迷している。