名古屋大学は大学院の博士課程に進む学生に対し、経済支援策を強化する新制度をスタートさせる。国の施策に名古屋大学の独自予算約3億円を上乗せして実施するもので、博士後期課程ではこれまでの2倍となる学生1人当たり年間173万円を支給する。
名古屋大学によると、社会人学生や休学者を除く博士前期課程約3,600人、後期課程約1,400人のうち、前期課程で35%が授業料減免、後期課程で91%が授業料減免、重複支給も含めて118%が経済的支援の対象となる。
これまでの制度では、前期課程の授業料減免が26%、後期課程の授業料減免が42%、経済的支援が82%にとどまっていただけに、支援対象が大幅に拡大される。新たに支援を拡大される層は成績優秀者となる。
後期課程学生の支援金額はこれまで、学生1人当たり年間82万円だったが、2倍の173万円に引き上げる。一般に学生が生活費をまかなえる金額が年間240万円といわれており、新制度では58.6%が年間240万円以上の支援を受けることになる。
高度な研究能力や専門知識を身に着ける博士課程への進学を経済的な理由からためらう学生が増え、日本全体の研究力低下の一因と指摘されるようになった。名古屋大学の新制度はこうした現状を打破し、優秀な学生が経済面を気にせずに進学できるようにするもので、名古屋大学は大学が一丸となって博士課程に進む学生を応援する。