IEEEのElectronics Packaging Societyより、日本人で初めて、横浜国立大学大学院工学研究院の井上史大准教授がIEEE国際賞「Outstanding Young Engineer Award」に選ばれた。半導体パッケージング分野で顕著な貢献を果たした35歳以下の研究者に贈られるもので、多額の研究開発費とインフラ投資が必要な電子デバイス開発を簡易にできる可能性を秘めた三次元集積化の研究が高く評価された。
横浜国立大学によると、IEEEは米国に本部を置く世界最大規模の電気・情報工学の学会。今年は井上准教授だけが国際賞に選ばれた。授賞式は米国であり、コロナ禍などで井上准教授は出席できなかったが、約1,500人の出席者が井上准教授の功績をたたえた。
電子デバイスは持続可能な社会実現に欠かせない根幹技術だが、最先端製造技術は大手企業が極紫外線リソグラフィー露光機など超高額の装置を備えた製造拠点を整備し、多額の研究開発費を投じなければならないのが現状。
三次元集積化はデバイスを立体的に積層し、高集積化や高速化、低消費電力化を可能にする技術で、製造現場が抱える課題を克服する可能性があると評価された。