大学入学共通テストに2025年度から導入される新科目「情報Ⅰ」について、北海道大学など一部の国立大学が必須科目としながら配点しない方針を示していることに情報処理学会が反発し、会長の徳田英幸情報通信研究機構理事長名文書で配点するよう強く求めた。

 情報処理学会によると、入試科目を課すのは点数化して理解到達度を測るためで、配点しない科目の受験を強いるのは入試の実施根拠を失い、高校教育での情報科目の意義を否定することになると批判している。
同時に、大学入学共通テストで原則として「情報」を課すとした国立大学協会の基本方針を形骸化させる行為に当たるとし、このような不適切な入試を看過できないとして適切な配点をするよう求めている。

 北海道大学は2025年度の共通テストで情報Ⅰの受験を課すものの、成績を配点しない方針を示した。成績同点者の順位決定には個別学力審査の結果を反映させるが、個別学力審査も同点だった場合、情報Ⅰの成績を活用するとしている。徳島大学は情報Ⅰの受験を必須とするが、2026年度までは配点せず、総合判定の参考とするにとどめる考えを明らかにしている。

参考:【一般社団法人情報処理学会】大学入学共通テストで「情報」を必須としつつ配点しない入試に対する本会の見解

大学ジャーナルオンライン編集部

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