横浜国立大学は2019年度から、法科大学院の学生募集を停止する。入学者数が2018年度に40%を割り込むなど減少が続き、改善を見込めないと判断したためで、首都圏の国立大学の募集停止はこれが初めて。
横浜国立大学によると、法科大学院は2004年の設置以来、神奈川県弁護士会の支援を受けながら、169人の司法試験合格者を出すなど法曹専門家の育成に一定の役割を果たしてきた。初年度に定員50人に対して970人の志願者があったほか、2007年度には59人が入学しているが、その後は入学者の減少が続き、2013年度から定員割れ状態に陥っている。
2018年度は定員25人に対し、入学者9人にとどまり、入学定員充足率が過去最低の36%まで落ち込んだ。全国の法科大学院で4番目に低い数字で、合格者のざっと半数が他校の法科大学院へ進んでいることも分かった。
教員自らが他大学へ出向き、学部学生に説明会を開くなどして打開を図ろうとしてきたが、目に見える効果がなく、募集を停止せざるを得ないと判断した。在籍する38人が課程を終了するまで存続させ、卒業生への支援体制も当面、継続する。
文部科学省によると、法科大学院は最大時で全国74校が開設していたが、入学者の減少が深刻化する一方で、募集停止校が続出している。2018年度で開設している大学は59校で、うち39校しか募集しなかった。横浜国立大学の募集停止により、神奈川県内の開設校はゼロになる。