実践女子大学では、生活科学部生活環境学科プロダクトデザイン研究室の学生11名が、株式会社イノアックコーポレーションからの依頼を受け、スポンジの特性を生かした生活道具の開発に取り組んでいる。
この取り組みは、実践女子大学と株式会社イノアックコーポレーションとの産学連携による研究活動の一環。学生たちは、2017年9月からの4カ月間、スポンジに関する市場調査とアンケート調査による情報収集や工場見学を行い、ユーザーの視点と素材の特性の両面からコンセプトの考案に取り組んだ。
12月には新規性、技術的難易度、製品化の可能性について評価を受けてデザインを絞り込み、試作に際してデザインの意図や方向性にズレがないかを確認。2018年4月に完成した試作品をもとに、さらに加工技術やコストの面も含め課題を洗い出し、6月27日のプレゼンテーションに臨んだ。
学生たちが提案したのは、スポンジ素材の吸音性に着目した快眠グッズ、軽さを生かしたお風呂で遊べる知育玩具、加工後の形状を生かしたメモパッドなど。今後、これらのデザイン案をもとに、株式会社イノアックコーポレーションでは製品化に向け準備を進めていく予定だ。
今回、学生たちにデザインを依頼したことについて、イノアックコーポレーションは「商品開発の際は、本来、さまざまなエビデンスを揃え、他社との差別化やコンセプトを打ち出していくのだが、今回はそれらにとらわれることなく、学生の感性によったアイデアに頼って提案してもらうことに主眼をおいていた。ネーミングもひらがなを使ったものが多く、スポンジの素材の柔らかさを表現しているということを聞き、まさにそのような感性に触れることができたことがありがたかった。」とコメント。学生からは「スポンジがさまざまなシーンで使われていることに驚いた。いざ(製品を)考えるとなると、既に製品になっていたりして、新しいものを生み出すのに苦労した。」と感想が寄せられた。
※株式会社イノアックコーポレーションは、ウレタン、ゴム、プラスチック、複合材をベースとした材料開発と自動車、情報・IT機器、住宅・建設関連からコスメ用品まで、生活のさまざまな場面に密着した製品を取り扱う企業。