2020年度から始まる大学入学共通テストの英語民間試験導入問題で、東京大学は入試監理委員会を開き、民間試験の成績提出を必須としない基本方針を固めた。一定の英語力を出願資格としながらも、受験生の出身高校が「同等の英語力がある」と認めれば、調査書の提出で代替できる。東京大学の方針は他の国立大学に影響を与えそうだ。
東京大学によると、基本方針は出願条件として言語能力の尺度として使われるCEFR(セファール、欧州言語共通参照枠)で6段階中下から2番目の評価となる「A2」以上を受験生に求めることとし、確認方法として
・民間英語試験の成績提出
・高校がA2レベル以上に相当すると認めた調査書の提出
・障害や病気など何らかの理由で成績、調査書を提出できないことを説明した文書の提出
-を求める。いずれかの提出がなければ出願を受理しないが、受理後は提出書類を合否判定の材料としないとしている。
民間試験は英語の「読む」「聞く」「話す」「書く」の4技能を測るために導入される。2023年度までは従来のマークシート試験と併用される方針で、大学入試センターはTOEIC、英検などを認定しているが、東京大学は別々の民間試験の点数を同一基準で比較することが難しく、居住地域で受験機会が左右されるなど公平性を確保されないとみている。
東京大学は3月、民間試験を合否判定に使用しない方針を明らかにしたあと、翌月に活用の方向性を示すなど方針が揺らいでいた。しかし、7月に学内のワーキンググループが試験の不使用が最も優先順位が高いとする提言を出していた。