2023年6月28日、関西学院大学は、大学内で不要になった飛沫防止パネルの分別を行うリサイクルプロジェクトを実施した。西宮市の事業ごみ・家庭ごみの収集運搬事業を行う株式会社大栄衛生との協働プロジェクト。
プロジェクトの中心を担ったのは関西学院大学SDGs推進本部の下で発足した学生団体KG SDGsキャンパスサポーターだ。今回のプロジェクトを通じて、学生に分別の意義や工程を知ってもらい、リサイクル意識の向上やSDGsへの関心を高めるのがねらい。
2023年5月に新型コロナウイルス感染症対策が緩和されたことを受けて、SDGs推進本部を設置する関西学院大学では撤去可能となった飛沫防止パネルのリサイクルを検討。学内にはKG SDGsキャンパスサポーターをはじめとしてSDGsに関心を持つ学生が多くいることから、学生を巻き込んだ教育的取り組みに昇華したいと考えた。そこで、環境保護の一環として飛沫防止パネルのリサイクル事業を模索していた大栄衛生に協働を打診。大栄衛生の「若者とSDGsの取り組みを盛り上げていきたい」という方針とKG SDGsキャンパスサポーターの活動方針とが一致し、今回の協働に至った。
5月22日~6月15日の期間、関西学院大学3キャンパス(西宮上ケ原キャンパス、神戸三田キャンパス、西宮聖和キャンパス)で飛沫防止パネルを回収した。集まったパネルの総重量は約2.1tにものぼり、それらをリサイクルすることで、焼却処分に比べ、約5.9tのCO2削減効果(環境省 「算定・報告・公表制度における算定方法・排出係数一覧」より算出)が望める。これは1家庭における年間CO2排出量平均約5t(「出典:国立環境研究所_温室効果ガスインベントリオフィス」)を超えるものとなる。
回収した飛沫防止パネルは主に4種類(アクリル樹脂、ポリカーボネート、PET樹脂、塩化ビニール)の素材が使われているため、リサイクルするためには分別する必要がある。目視での判別が難しいため、KG SDGsキャンパスサポーターの学生らは、専用の機器を使って総重量約1.1tの飛沫防止パネルを分別した。分別された飛沫防止パネルは再生原料として海外へ輸出される。