千葉県には約6000haという全国でも7~8番目の広さの竹林があるが、竹材の需要が減り、管理が行き届かなくなって放置された竹林における「竹害」が深刻な問題となっている。竹は成長が早いので、密集して生えるとほかの木々の成長を阻み、植生が乱れてしまい、森林が荒廃していく。また、竹が無秩序に繁殖することにより良質な竹材や筍の収穫が難しくなるうえ、土壌保持力低下による崖崩れや枯れ材の海への流出などが発生する。

 千葉大学の環境ISO学生委員会と株式会社京葉銀行は協同でecoプロジェクトを実施しており、今回、SDGs達成に向けた取り組みの一環として竹林整備活動を行った。活動は全3回で構成し、第1回はセミナー形式で千葉県の竹害の現状や、竹材の活用などについての理解を深め、第2回・第3回では学生と行員が実際に竹林現場に足を運び、竹林整備活動や竹炭・竹粉製作などを体験した。

 参加した佐藤大生さん(法政経学部2年)は、「うっそうとした竹林に到着すると、人が通れないほど竹が密集して伸びている箇所を多く目にしました。2,3人でのこぎりを使って、曲がって伸びている竹や腐っている竹を伐り出し、それらを炭や竹粉にするために運ぶ作業を行いました。徐々に竹林の奥へと分け入るのは、まるで開拓しているかのような気分で楽しく整備をすることができました。また、限られた時間でも多くの竹を伐採し、太陽の光が心地よく差し込む竹林へと整備でき、そのきれいさに達成感を感じました。しかし、私たちが整備した箇所は千葉県の竹林全体でみるとほんの一部に過ぎません。このような活動や竹を有効利用する方法が広まり、竹害の被害を抑えていくためにも同年代の若い世代にこの問題を伝えていきたいと思います。」と話した。

 千葉大学と京葉銀行は2012年に包括連携協定を結んでおり、千葉大学で環境活動を主体的に担っている環境ISO学生委員会と京葉銀行が協同で、2017年から「ecoプロジェクト~7色の虹を千葉から未来へ」を実施している。プロジェクトでは、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けて、まずは「地域の環境負荷削減と環境意識向上に貢献したい」という想いで、京葉銀行の行員や取引先企業、地域住民、千葉大学の学生などを含めた千葉県内の多くの人をを対象に、環境意識の啓発活動を実践している。

参考:【千葉大学】放置される竹林を活かし循環型社会を目指す 千葉大生が京葉銀行とともに竹林整備活動 

大学ジャーナルオンライン編集部

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