東京大学大学院情報学環メディア・コンテンツ総合研究機構は、中東カタールの報道機関アルジャジーラ・メディア・ネットワークと基本合意書を締結し、パレスチナ・ガザ地区の戦災を追体験できるVR(仮想現実)教育コンテンツを共同開発する。
東京大学によると、東京大学大学院情報学環・学際情報学部教授で、メディア・コンテンツ総合研究機構の渡邉英徳機構長はこれまで、戦災や災害の資料をデジタル上で展開する「多元的デジタルアーカイブズ・シリーズ」や、ウクライナ、ガザの戦争被害を衛星画像から解析して情報発信するプロジェクトに取り組んできた。
渡邉英徳研究室の小松尚平特任研究員は、ウクライナの戦争被害を記録したバーチャル空間を、アバターを介して体験できる「戦争VRシステム」を開発し、各地で展示活動をしている。
今回の共同開発では、東京大学が持つこれらの技術をフル活用し、アルジャジーラが撮影した画像や映像データを基にガザの戦争被害を追体験できるVR・メタバースコンテンツを制作する。完成後は教育コンテンツとして活用する方針。
ガザ地区では、ガザを支配するイスラム組織「ハマス」とイスラエルによる交戦が2023年10月から続いている。イスラエル軍の攻撃により、ガザ地区の多くの町が大きな被害を受け、ガザ保健当局の発表では4万人近い死者がガザ地区で出ているという。