日本原水爆被害者団体協議会がノーベル平和賞を受賞したのを受け、広島大学の越智光夫学長は今回の受賞を機に平和を追求する思いを新たにするとともに、自由で平和な国際社会の実現と人類の幸福への貢献によりいっそう取り組むとする談話を発表した。

 広島大学によると、越智学長は約70年にわたって被爆証言を通じて「核兵器のない世界」を目指してきた日本原水爆被害者団体協議会の活動に深く敬意を表し、受賞を広島大学としても大変喜ばしいとした。

 日本原水爆被害者団体協議会の発足には、広島大学の故森瀧市郎名誉教授(1901-1994年)が大きく貢献した。森瀧名誉教授は広島高等師範学校教授時代に広島への原爆投下で被爆し、広島大学文学部教授を務めながら、日本原水爆被害者団体協議会理事長として活動した。各国の核実験に抗議して広島平和記念公園の原爆慰霊碑前に座り込んだこともある。

 広島大学文書館は広島県被爆者団体協議会草創期の資料を受け入れたのに続き、森瀧名誉教授の遺族から自筆の原稿や活動資料など約1万点の寄贈を受けて目録作りを進めている。越智学長は「数年後にはこれら資料を一般公開したい」としている。

参考:【広島大学】日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)のノーベル平和賞受賞に寄せて

大学ジャーナルオンライン編集部

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