高知大学、京都大学、高知県四万十市、理研食品など産学官が連携するプロジェクト「しまんと海藻エコイノベーション共創拠点」が、科学技術振興機構の2024年度共創の場形成支援プログラムに採択された。消滅の危機に直面している四万十川の海藻を復活させ、地域に新しい産業の創出を目指す。
高知大学によると、今回のプロジェクトは高知大学が持つ陸上での海藻養殖技術を基に、四万十川河口や陸上での持続的な海藻生産の再生を図るのが目的。メタンガス削減を目指した牛用の海藻飼料開発やカーボンニュートラルに貢献する海藻資源の工業用素材、化粧品などへの産業利用、それらを実践する人材の開発を産学官が一体になって進める。
四万十市は人口約3万人。1985年の約4万1,000人をピークに激減しており、地域自体が消滅の危機に直面している。海藻生産の復活と新しい関連産業創出で地域を存続させる願いも込められている。事業の実施期間は2026年3月末まで。委託研究費として年間2億5,000万円が給付される。
四万十市を流れる四万十川はアオサとアオノリの産地で、かつてはアオノリ全国シェアの90%を占めていたことがある。しかし、近年はともに生産量が激減し、消滅の危機に瀕している。
参考:【高知大学】高知大学が提案した「しまんと海藻エコイノベーション共創拠点」がJST 共創の場形成支援プログラムに採択されました(PDF)