福岡国際音楽大学(仮称)は、福岡県太宰府市に2026年4月の開学を目指し、設置認可を申請している。学納金は初年度160万円、2年次以降は140万円で、4年間合計580万円と、国内の音楽大学の中で最も低い水準に設定されている(諸費用別途)。認可されれば福岡県で唯一の音楽大学となる。

 初代学長には東京藝術大学第10代学長でヴァイオリニストの澤 和樹氏が内定している。音楽学部音楽学科(仮称)の1学部1学科制とし、入学定員は80名。「音楽表現専攻」と「音楽ビジネス専攻」の2専攻を設置して、音楽家や演奏家、教育者を目指すだけでなく、音楽ビジネス、音楽療法、ミュージカル、サウンドクリエーションなど、従来の枠を超えた音楽分野も学びの対象とする。

 キャンパスは募集停止した福岡女子短期大学音楽科を大規模にリノベーション中で、レッスン室や練習室は将来的に100室以上を予定。学生寮も完備し、早朝や放課後、土日も施設利用が可能とする計画だ。

 卒業後の進路としては、教育機関(音楽大学、高校、中学、音楽教室)、文化関連財団や演奏団体、一般企業(銀行、テレビ局、テクノロジー企業など)、医療機関(音楽療法士)など幅広い分野が想定されている。そのためICTスキルや英語力の習得にも力を入れ、大企業への就職や起業を目指す学生も支援する。

 運営は国際医療福祉大学をはじめ福岡県と関東地区に医療・福祉・教育分野で広範なネットワークを持つ学校法人高木学園が行う。福岡国際音楽大学(仮称)も医療や福祉の現場での演奏活動や音楽療法などを通じて音楽と医療福祉の融合を促進する。

 また、2024年9月には大学としては初めて九州交響楽団と連携協定を締結。プロのオーケストラと大学の連携は世界的にも珍しく、今後、演奏指導や講師派遣など多様な形での協力が予定されている。

参考:福岡国際音楽大学(仮称)

大学ジャーナルオンライン編集部

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