2025年6月17日、学校法人武庫川学院は2027年度から武庫川女子大学を共学化する方針を固めた。大学名は同年度より「武庫川大学」とする予定。附属中学校・高等学校については女子校を継続する。詳細は7月28日の理事会で決定後、公表される見込み。
武庫川学院は1939年に教育者の公江喜市郎氏によって創設され、女性に高度な教育の機会を提供することを目的としてきた。創設から10年後に開学した武庫川女子大学は時代の変化に応じて女性の活躍の場を広げ、2025年4月には環境共生学部を開設し、13学部21学科、大学院8研究科14専攻を擁し、3キャンパスとアメリカ分校に1万人の学生が学ぶ全国最大規模の女子総合大学へと発展。卒業生は20万人にのぼる。
管理栄養士、薬剤師、看護師、社会福祉士、公認心理師、一級建築士などの国家試験において高い合格率を誇り、教員養成にも定評がある。産官学連携や地域連携など実践的な学びも活発に行われている。さらに学生生活においては世界レベルで活躍するクラブや選手が多数存在する。共学化に踏み切る背景には、こうした優れた教育環境や学術研究を女性に限定せず、性別や年齢を問わず広く開くべきとの考えがある。
また、日本のジェンダーギャップ指数は2025年時点で世界118位と低く、男女格差の課題は依然として残っているなかで、創立以来推進してきたジェンダーや多様性に関する理解促進、キャリア形成の教育を、男性を含めたすべての人に開く時が来たといえる。そのため今回の変更は「共学」ではなく「皆学(かいがく)」と呼び、幅広い学びの領域を持つ総合大学として責務を果たすとしている。
なお、2026年度募集における女子大学の学部数(7学部以上)は武庫川女子大学(兵庫県・13学部)、東京家政大学(東京都・8学部(学環))、安田女子大学(広島県・8学部)、共立女子大学(東京都・7学部)、昭和女子大学(東京都・7学部)、日本女子大学(東京都・7学部)、金城学院大学(愛知県・7学部)、椙山女学園大学(愛知県・7学部)、京都女子大学(京都府・7学部)。
<2025年4月より共学化した旧女子大学>
東京家政学院大学(東京都) → 東京家政学院大学
※2025年4月より町田キャンパス(生活共創学部)を共学化、2026年4月より千代田三番町キャンパスの2学部(現代生活学部・人間栄養学部)も共学化
清泉女学院大学(長野県) → 清泉大学
名古屋女子大学(愛知県) → 名古屋葵大学
神戸松蔭女子学院大学(兵庫県) → 神戸松蔭大学
園田学園女子大学(兵庫県) → 園田学園大学
※2025年4月より、こども学部と経営学部を共学化、2026年4月より、人間健康学部食マネジメント学科を共学化、2028年4月より人間健康学部総合健康学科・人間看護学科を共学化予定
<2026年4月より共学化する女子大学>
女子栄養大学(埼玉県) → 日本栄養大学
岡崎女子大学(愛知県) → 岡崎大学
京都光華女子大学(京都府) → 京都光華大学