大正大学(東京都豊島区)は、飛鳥時代に創建された世界遺産の薬師寺(奈良県奈良市)と連携協定を結び、サテライトキャンパスを開設することを決めた。サテライトキャンパスを歴史や仏教の学びの場にするとともに、文化財のアーカイブ化などを共同で進める。

 薬師寺は680年に創建された法相宗の大本山で、東塔、銅造観音菩薩立像など国宝や南門、木造十一面観音立像など重要文化財が多数あり、古都奈良の文化財を構成して世界遺産に指定されている。

 薬師寺の大谷徹奘執事長は大正大学客員教授を務めており、2025年度、特別講座を開催している。また、協定締結に先立ち、大正大学の学生9人が薬師寺で奈良時代から営まれている修二会(しゅにえ)に参加、法要や柴燈大護摩(さいとうおおごま)の準備などを学んだ。
 
 1926年創立の大正大学は、天台宗、真言宗豊山派、真言宗智山派、浄土宗、時宗の四宗派が協働して運営しており、仏教学部をはじめ文学部、人間学部、臨床心理学部、表現学部、地域創生学部の6学部9学科を持つ。さらに2026年4月には情報科学部(仮称)グリーンデジタル情報学科(仮称)・デジタル文化財情報学科(仮称)をそれぞれ入学定員60名で設置認可申請している。

 この情報科学部 グリーンデジタル情報学科・デジタル文化財情報学科(仮称・設置認可申請中)の学びの場として「薬師寺サテライトキャンパス」を設置。主に文化財に関する調査・研究・保存活動の実施、デジタル技術による文化財のアーカイブ化および活用について、学生・教員と薬師寺関係者が共同で研究・教育を推進する方針。

 大正大学は薬師寺だけでなく全国にエリアキャンパス(宿泊機能付き)とサテライトキャンパスを展開している。東日本大震災後の復興を支援するために設立した南三陸エリアキャンパス、近畿地方で行うフィールドワークの活動拠点となる京都エリアキャンパスと、静岡県藤枝市、兵庫県淡路市、徳島県阿南市、米ニューヨーク・ブルックリンにサテライトキャンパスを持つ。
 
参考:【大正大学】大正大学が奈良薬師寺にサテライトキャンパス開設-共同研究や教育プログラム開発に向けて5月29日に連携協定を締結

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“旅する大学”「理論×実践+フィールド」のハイブリッドな学びで地域社会に貢献できる人材をめざす

⼤正⼤学は2026年、創⽴100周年を迎えます。⽂学や歴史、福祉・⼼理、メディア、経済、政策など、6学部の学問分野で多彩な学びを展開し、地域社会に貢献できる⼈材を育成します。キャンパスは東京都豊島区にあり、池袋や巣鴨からアクセスしやすく、全学部が4年間を同じキ[…]

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