江戸川大学睡眠研究所とパラマウントベッド睡眠研究所は、「夢に対する態度」に関する全国調査を実施し、その成果をまとめた論文が国際的なオープンジャーナル誌『PLOS One』に掲載された。
本研究では、全国47都道府県の成人1,478名を対象にオンライン調査を実施し、日本語版「夢に対する態度尺度」を新たに開発した。
調査の結果、「夢に意味を見出す態度」はレム睡眠行動障害(RBD)や不眠症状などの睡眠関連指標と有意な関連を示した。具体的には、夢の内容や意味に強い関心を持つ人ほど、睡眠の質の低下や睡眠障害のリスクが高い傾向がみられた。全体として加齢とともに夢に意味を見出す傾向は低下するが、高齢者でその傾向が強い場合、睡眠異常のリスクが高まっている可能性が示唆された。
今回開発された日本語版「夢に対する態度尺度」は、質問項目数が10項目と簡便でありながら、高い信頼性と妥当性を有しており、将来的には、睡眠障害のスクリーニングや健康モニタリングへの応用も考えられる。特に、夢に対する態度が睡眠障害の予兆やサインとなる可能性が示されたことで、日常的な健康管理や早期介入の新しい手段となることが期待されている。
江戸川大学睡眠研究所は「眠りの不思議を解き明かし、眠りをとおして社会に貢献する」という基本方針を掲げ、2012年に発足。人文系大学としては国内初となる睡眠研究所で、睡眠実験や認知実験に使用される「防音電磁シールドルーム」などの研究施設と実験機器を活用し、睡眠に関する諸問題と改善に向けた研究を行っている。
参考:【江戸川大学】江戸川大学睡眠研究所とパラマウントベッド社との共同研究成果が国際学術誌『PLOS One』に掲載―日本語版「夢に対する態度尺度」を新たに開発