東京医科歯科大学は、医学部初の試みである単位認定型インターンシップ制度により、医学部生が、医療AIベンチャー、アイリス株式会社で2019年6月3日~8月30日の3か月間、インターンシップを行った。

 医師起業家などによって創業される医療ベンチャーが増加しており、医学生の将来キャリアとして、医師起業家が一つのキャリア選択肢となっている現状がある。しかし通常のインターンシップでは各企業が公募をかけ、学生が個々で応募し採用する流れが一般的で、大学医学部の単位として認められることはなかった。

 こうした背景から、東京医科歯科大学は、医学生が医師起業家の働く姿を身近で学び、幅広いキャリア考察ができるようにと、医療ベンチャーでのインターンシップ制度を医学部で初めて導入した。

 受け入れ先となったアイリス株式会社は、代表取締役社長の沖山翔氏が医師であり、4名の医師・歯科医師が社員として従事。医療現場でのニーズや課題に沿ったAI医療機器の開発を進めている。副社長が東京医科歯科大学の臨床准教授を勤めている関係でインターンシップ先に選ばれた。

 期間中、インターン生は、インタビューや学会参加などを通して医師起業家の実態調査を進める一方、医療機器開発の基礎知識の獲得や、開発中の未承認医療機器の開発工程へ参画し、医師起業家が働く医療AIベンチャーで事業推進のプロセスを間近で経験した。東京医科歯科大学医学部4年のインターン生は、「これから多様化していくと考えられる医師のキャリアの中で、起業とはどういうことなのか間近で見させていただきました。ビジネスの視点から医療を見ることは現状医学部では教わりません。この経験は今後自分にとって大きな知見になると思います。」と有意義だったインターン期間の感想を述べた。

参考:【PR TIMES】医療AIベンチャーのアイリス株式会社が単位認定型インターンシップ制度を東京医科歯科大学と実施

大学ジャーナルオンライン編集部

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