日本メナード化粧品株式会社と日本福祉大学健康科学研究所は共同で、女性の「ときめき」の感情構造を分析し、それをもとに化粧品にときめいた際の特徴的な感情を数値化した。研究成果は2019年9月28~29日開催の「日本健康心理学会第32回大会」で発表する。
「ときめき」は、気分が高揚し、胸が高鳴るなどの複数の感情が複雑に絡み合った心理状態であると考えられている。しかしこれまでその複雑な感情を明確に表すことは困難だった。
そこで、20代から60代までの女性122名を対象に「憧れの化粧品を手に入れたとき」と「憧れの身近な異性と偶然遭遇したとき」の2つの場面において、感情を表す61語を「全くあてはまらない」から「非常によくあてはまる」まで6段階で評価させ、因子分析を行った。その結果、女性の「ときめき」の感情は「幸福」、「動揺」、「強気」、「平穏」、「不満」の5つから構成されていることが明らかになった。次にその5つの感情について4語ずつ20語を6段階で評価させ、ときめく気持ちを数値化できる「女性の『ときめき』尺度」を作成した。
この尺度を用いて化粧品に対してときめいた際の特徴的な感情について数値化したところ、化粧品にときめくと「幸福」、「強気」、「動揺」のスコアが増加し、「平穏」スコアが減少することが判明した。さらに、化粧品(憧れのスキンケア製品)に対する「ときめき」と異性(身近にいる好きな異性)に対する「ときめき」を比較した。すると、どちらも「幸福」の感情が強い一方で、好きな異性に対しては「動揺」が強いのに対し、憧れのスキンケア製品に対しては「強気」の感情が強いことが分かった。つまり、何に対してときめくか、対象が異なると気持ちも異なると考えられる。
今回開発した女性の「ときめき」尺度を用いることで、さまざまな対象による「ときめき」の心理状態を数値化し、比較することが可能となった。日本メナード化粧品は今後も多くの女性をときめかせる商品開発や美容提案に応用するため、「ときめき」の研究を続けていくという。