慶應義塾大学看護医療学部の宮川祥子准教授、環境情報学部の田中浩也教授、神奈川大学経営学部の迫田大介准教授らの研究グループは、3Dプリンターで製造したフェイスシールドを安全に医療現場へ届けるため、手順書と取扱説明書を特設サイト上に公開した。
慶應義塾大学SFC研究所によると、新型コロナウイルスの飛沫感染対策として有効なフェイスシールドが全国的に不足する中、3Dプリンターを使ってフェイスシールドを製造し、現場へ届ける動きが広がっている。
3Dプリンターでの製造は設計データをインターネット上で共有し、迅速に少量生産できる特徴があり、緊急時の対応としてかつてなかった自律分散型のものづくりを実現しているが、海外では粗悪品が見られるほか、善意で製作したものを通じて感染が拡大する可能性を心配する声も上がっている。
そこで、研究グループは消毒方法とそれに耐えうる素材など緊急時であっても最低限必要な情報を公開するとともに、受け取った側が使い方やメンテナンスをひと目で理解できる取扱説明書を公表した。
宮川准教授は「多くの善意が医療現場で生かされるようこの情報を活用してほしい」、田中教授は「新型コロナ対策は一刻を争う状況だが、最低限の安心と安全を担保できるひと手間を加えることで支援の質的向上が果たされる」とのコメントを発表している。
参考:【慶應義塾大学SFC研究所】慶應義塾大学と神奈川大学が連携し、3Dプリンタ製フェイスシールドを看護現場等に安全に届ける手順書と取扱説明書を公開