東北大学東北メディカル・メガバンク機構などが進める三世代コホート調査の生体試料、情報の提供が開始され、7万人規模の大規模調査の情報を全国の研究者が利用できるようになった。これにより東北メディカル・メガバンク計画長期健康調査のベースライン情報すべてが提供される。
東北大学によると、三世代コホート調査は東北大学東北メディカル・メガバンク機構、岩手医科大学いわて東北メディカル・メガバンク機構が東日本大震災からの復興と個別化医療の実現を目指して実施する合計15万人規模の大規模調査の中の1つ。2013年から妊婦と生まれた子どもを中心に家系情報も加えて試料などを収集している。
今回、提供対象となるのは、成人の血清、血漿、DNA、尿、母乳など、子どもの臍帯血、単核球といった試料のほか、家系情報などの基本情報、母親らの健康情報、調査登録時の血液、尿、産科カルテ転記情報など。
今回の提供開始で三世代コホート調査のベースライン情報がすべて提供対象となったが、東北大学東北メディカル・メガバンク機構は今後、追跡調査で得られた経時的情報、大規模に進めているゲノム・オミックス解析情報(※1)の提供も進めたい考え。長期健康調査を引き続き進め、日本の医療基盤を担うデータの充実と共有を進めることにしている。
(※1) オミックス解析情報 ゲノムを含む網羅的な生体分子情報
参考:【東北大学】三世代コホート調査全体の試料・情報分譲の開始 ~世界最大規模の家系付きコホートが全国の研究者へ利用可能に~(PDF)