東京大学とNTTドコモ(東京、加藤薫社長)は、不整脈と生活習慣病の関連性をスマホアプリで解析する臨床研究を始めた。脳梗塞を発症した患者の3割は不整脈が原因であることが分かっているだけに、不整脈を早期発見して重篤な疾患の予防を図るとともに、不整脈に起因する病気の予後改善にも役立てたい考え。
NTTドコモによると、この臨床研究は東京大学医学部付属病院の藤生克仁特任助教、小室一成教授らの研究グループが進めている。
東京大学とNTTドコモは、自分自身の脈拍の揺らぎを数値でとらえ、自分で管理するためのスマホアプリを、米アップル社が提供する医学研究用オープンソース・フレームワークを活用して開発してきた。
東京大学とNTTドコモは、自分自身の脈拍の揺らぎを数値でとらえ、自分で管理するためのスマホアプリを、米アップル社が提供する医学研究用オープンソース・フレームワークを活用して開発してきた。
今回の臨床研究では、参加者にこのスマホアプリを用い、1年間継続して脈拍を1日1回記録してもらう一方、1~2週間ごとに動悸の有無などの質問に答えてもらう。それを基に脈の揺らぎをグラフ上で確認することができるようにする。
計測された脈拍データは、利用開始時に登録してもらった生活習慣病の有無などの情報とともに、不整脈発生傾向を分析する研究データとして使用される。
脳梗塞を発症した患者の3割は、不整脈の1つである心房細動で心臓の一部に血液が滞留し、それによって発生した血栓が脳の血管に運ばれて詰まることが原因と分かっている。不整脈と他の生活習慣病の関連性が明らかになれば、さまざまな疾病予防につながりそうだ。