東京工業大学、東京大学、自然科学研究機構アストロバイオロジーセンターなどの研究者らが参加する国際共同研究チーム「ESPRINT」は、地球型の太陽系外惑星を探す探査機「ケプラー衛星」の第2期観測であるK2のデータと地上からの追観測を組み合わせることによって、従来の予想に反し、「準巨星」のすぐそばを公転する巨大惑星「K2-39b」を発見した。

 「準巨星」とは、太陽のような恒星が年老いて膨らんだ天体のこと。これまでの系外惑星探しによって準巨星のまわりにも巨大惑星が存在することは知られていたが、準巨星のすぐそばを公転する巨大惑星はほとんど発見されてこなかった。

 今回発見された巨大惑星「K2-39b」の主星「K2-39」は太陽の約4倍の大きさを持つ準巨星で、「K2-39b」の公転周期は約4.6日。「K2-39b」の軌道は「K2-39」から、親星の直径のたった1.7倍しか離れていない。これまでの予想では、このように近い公転距離では、準巨星のすぐそばにある巨大惑星は時間が経つと親星による潮汐力(月による地球の海の満ち引きと同じ力)によって破壊されてしまうと考えられてきたが、今回発見された「K2-39b」は潮汐力によって破壊される前に運良く見つかった惑星ではないかと考えられている。

 年老いた恒星を公転する惑星の研究は、恒星が死ぬ時にそのまわりの惑星がどうなるのかを理解することにつながり、これから数十億年後、太陽が巨星になる時に太陽系の惑星にどんなことが起こるのかを理解することにもつながるという。今回の発見に関する論文は、「Astronomical Journal」に掲載予定。

東京大学

明治10年設立。日本で最も長い歴史を持ち、日本の知の最先端を担う大学

東京大学は東京開成学校と東京医学校が1877(明治10)年に統合されて設立されました。設立以来、日本を代表する大学、東西文化融合の学術の拠点として、世界の中で独自の形で教育、研究を発展させてきました。その結果、多岐にわたる分野で多くの人材を輩出し、多くの研究成[…]

東京工業大学

時代を創る知を極め、技を磨き、高い志と和の心を持つ理工人を輩出し続ける理工大学の頂点

東京科学大学 理工学系(東京工業大学)は大岡山、すずかけ台、田町の3つのキャンパスを持つ国立の理工系総合大学です。卓越した教員と充実した設備を有し、世界を舞台に地球規模の課題を解決する研究を行っています。学生の希望に柔軟に応える留学プログラムや特徴ある教養教育[…]

大学ジャーナルオンライン編集部

大学ジャーナルオンライン編集部です。
大学や教育に対する知見・関心の高い編集スタッフにより記事執筆しています。