「モーリーファンタジー」などアミューズメント施設を手掛ける株式会社イオンファンタジーは、東京大学大学院情報学環と、デジタルゲームのあそびをまなびに接続する共同研究を開始した。
イオンファンタジーは、「エンターテイメント(あそび)」と「エデュケーション(まなび)」がひとつになった体験「エデュテイメント」を推進しており、今回の共同研究は、「夢中になって楽しむうちに子どもの能力が最大限に引き出され、こころ・あたま・からだが成長してゆく」環境を実現するために、理論枠組みや実践方法を確立することを目的としている。
また、イオンファンタジーによるアンケート調査では、子どものゲーム時間が増加傾向にある中で、94.5%の保護者がゲームに対する何らかの不安(例:勉強時間が減る、外遊びが減り体が弱くなる等)を感じ、その一方で、78.3%の保護者は不安がありつつも、ゲームに対して何らかの良い効果(例:子ども同士の共通の話題が出来る、集中力の向上等)を感じていることが分かった。このことから、ゲームで遊ぶ時間が子どもたちの成長につながる仕組みに関する知見を研究成果として提供する活動も行う。
共同研究では、人気デジタルゲームタイトルを対象に、まなびや成長に寄与するコンテンツやあそび方の評価、授業や課外活動等に導入するための学習プログラムや指導ガイドの制作、あそびの支援方法の開発と評価を行う。
2021年度中にテーマ別のモデル活動プラン開発や、活動プログラムガイド・ファシリテーターガイド作成を行うための実証研究を行い、プロジェクトに参加する教育機関や企業、イオンファンタジーが展開するオンラインスクール「ゲームカレッジ Lv99」のレッスン等で試行的な導入を重ね、研究成果を広く社会へ提供する。
東京大学大学院情報学環の藤本徹准教授は、ゲームを利用した教育の研究は、これまで従来の学校教育向けの教材開発等を目的としたものが多く、インフォーマルな学びを高める研究は十分に行われてこなかったとして「この共同研究により、ゲームでの遊びを通した豊かな学びや成長を子どもたちに届けることはもちろん、大人になってからの学びも豊かにする知見が提供できると考えています。」とコメントしている。