人々を笑わせ、考えさせた研究や業績に贈られる2016年のイグ・ノーベル賞知覚賞に、立命館大学文学部の東山篤規教授と大阪大学大学院人間科学研究科の足立浩平教授が選ばれた。2人は前かがみになって股の間から後ろをのぞくと、実際より小さく見える股のぞき効果を共同研究した。日本人の受賞は10年連続になる。

 立命館大学によると、股のぞきをして景色を見ると、天地が逆になり、立ったまま見たときより奥行きが乏しく感じられる。日本人は日本三景の京都府天橋立で股のぞきをして景色を見る風習があるなど、経験的に股のぞき効果を知っていた。

 東山教授らは計90人の被験者に股のぞきをして離れた場所に置いた三角板の大きさや距離を当ててもらう実験をした。その結果、股のぞきをすると、立ったまま見るより三角板が小さく見え、近くにあるように感じることを突き止めた。

 上下左右が反対に見える逆さメガネをかけて股のぞきをしたところ、見える景色が立ったままのときと同じになることも分かった。しかし、その場合も逆さメガネをかけずに股のぞきしたときと同様に錯視が起きていた。東山教授は前かがみの姿勢と錯視が関係しているとみている。

 東山教授は「こういう浮世離れした感がする研究を真剣に取り上げ、評価してくれた米国の学問の奥の深さを感じた。若い学生や研究者には、誰もしないことや自分が面白いと思うことに挑戦してほしい」とのコメントを発表している。

大阪大学

一人ひとりの「真価」を、阪大の「進化」に。地域に生き世界に伸びる大学へ

大阪大学は、11学部23学科を有する研究型総合大学。1931年の創設以来、「地域に生き世界に伸びる」をモットーに、高度な教育研究力、教職員の和の力、そして伝統の重みと大阪という地の利が織りなす卓越した「基盤」と「力」を有しています。これらの優れた潜在力を活かし[…]

立命館大学

グローバル・アジア・コミュニティに貢献する多文化協働人材の育成

1900年創立、中川小十郎の精神を引き継ぎ、建学の精神である「自由と清新」のもと、グローバルな存在感をもち、地域に根ざした私立総合大学です。「未来を信じ、未来に生きる」の精神をもって、確かな学力の上に、豊かな個性を花開かせ、正義と倫理をもった地球市民として活躍[…]

大学ジャーナルオンライン編集部

大学ジャーナルオンライン編集部です。
大学や教育に対する知見・関心の高い編集スタッフにより記事執筆しています。