多様性に満ち溢れた世界、チームで活躍するために
Q チームで仕事をするのに備えた取組は?
――突き抜けた個性の集まる多様性に満ちたチームで仕事をしていくには、多様な価値観を受容する心を育てておく必要もありますが、そのためには大学にも学生のダイバーシティを高める努力が求められます。外国人留学生、社会人、都会の大学なら地方出身者を、もっと増やすなどです※4。
一方、インターンシップやボランティア、海外留学などの奨励、支援に加えて、正課授業においても、企業や官公庁と連携したプロジェクト型授業など、学生が学外の不慣れな環境で、多様な人たちと接触する機会を増やす必要もあります。その際、MBTのように異なる学部学科の学生同士でチームを組めるようにもしたい。
最近は国内の地方大学との連携も始めました。昨年度に始まったのが島根県立大学との連携。本学の学生が島根へ行き、先方の学生と一緒に津和野の町おこしに取り組みました(写真)。都会育ちの学生には、川に鯉が泳ぐ津和野の町は新鮮そのもの。農家や商店街の人にインタビューしたり、企画や方向性について島根の学生と討論したりする中で、参加した学生の多くが飛躍的に成長したと聞いています。
グローバル化の観点からは、昨年度完成した国際学生寮で、外国人留学生と一緒に寝泊まりするような環境も用意し、希望者を募っています。今後は、アメリカ、ヨーロッパ、アジア、オーストラリアなど地域を問わず、協定校を着実に増やし、多様性を経験できる場をさらに拡大していきたいと考えています。
「プロジェクトの成蹊」もイキイキ
地域との連携では、本学のある武蔵野市が2020年東京オリパラのルーマニアのホストシティに予定されていることから、ルーマニアの人たちをおもてなしするために、学生がルーマニアについて学ぶプロジェクトや、吉祥寺駅の商業施設と組んで、育てた有機野菜を加工して販売するといったプロジェクトなどが動いています。プロジェクトに関わる学生たちはきびきびしていて明るく、やりがいを持って活動しているようです。
最近は学生広報委員会も組織され、学内広報誌『ZELKOVA』(表紙画像)を制作するとともに、大学ホームページに掲載するコンテンツ作りにも参画しています。とても大変で忙しいそうですが、やはり楽しそうで、イキイキとしています。
Q 成蹊ブリリアント2020の取組は他にも?
――理工学部情報科学科では、2年次から「コンピュータ科学コース」と「データ数理コース」に分かれて学ぶようになるほか、文学部では、「日本語教員養成コース」と、行政やNPO による芸術文化振興の実務を学ぶ「芸術文化行政コース」の2つの学科横断コースが開設されます。
今回の改革を、私たちは“ブリリアント”と形容しました。ここには、大学が大きく動き出すことで個性を発揮し、そのことを通じて学生の個性を輝かせたいという思いが込められています。100年を超える伝統を受け継ぎ、一方では、これまでにない変化が予感されるSociety5.0に向けて、さらなる改革を進めていきたい。成蹊ブリリアント2020はその大事な一歩になると考えています。