関西における私学の雄として知られる、京都の立命館大学。キャリア支援でも「面倒見がいい大学」ランキングで上位に入るほど支援が充実しています。

しかし2020年からのコロナ禍で、状況は一変。授業も就職活動もオンラインへ移行する中、ビズリーチ・キャンパスを活用することで、以前から検討を進めていたOB/OG訪問のオンライン化を実現しました。伝統ある大学におけるキャリア支援の変化と学生に求められる「キャリア選択」への姿勢について、紀國洋キャリアセンター部長(経済学部教授)にお話しいただきました。

 

就活環境の激変で立命館大学が選んだ道

まずは2020年、新型コロナウイルスによって劇的に変化した就職活動について紀國部長に振り返っていただきました。

「3月に予定していた学内の企業説明会を、開催3日前に中止する判断をしました。

350社以上の企業が参加するイベントだったため、それを学生に伝えるのが本当に辛かったです。ただ、オンラインを活用して就職活動をするために必要な情報を集約した特設サイトを新たに作り、2月28日には公開しました。特設サイトは職員一同が力をあわせ、2日間で制作しました」

「自前主義」に拘り過ぎず、志を共にできる企業さまと協働していくことが学生の為になる。今まではキャリアセンターの職員だけで企業研究や業界研究のコンテンツを用意してきましたが、この経験をきっかけに、外部の企業や専門家の方と連携を進めています。ビズリーチ・キャンパスの導入も、そういった背景からの一歩でした。

「立命館には、もともと縦の繫がりを強くするためのシステムをつくってきました。OB/OGによるキャリア・アドバイザー制度も、その一環です。新たな就職活動の形として、こうした繋がりをオンライン化できる方法がないかと2019年から考えており、ビズリーチ社と相談していました。そこへ新型コロナウイルスの感染拡大が襲いました。対面での就職支援や、説明会が開催出来ない状況が続く中、多くの学生からキャリアセンター宛にOB/OG訪問依頼の希望があり、ビズリーチ社との連携をできるだけ早く実現する必要が生じました」(紀國部長)

その結果、コロナ禍の中でも、学生自身が知りたい情報を取得しながら、キャリア選択することに繋がったとのことです。

 

オンライン化により、学生とOB/OGの双方にメリット

校内への入構制限がある中、キャリアセンターでは、OB/OG訪問を希望する学生には、オンラインでOB/OG訪問の依頼から実施までできるビズリーチ・キャンパスを案内していました。そして、2020年10月に正式に公認サービスとして導入がスタートしました。

「これまで立命館ではOB/OG訪問の際、必ずキャリアセンターへ足を運び、印刷されたOB/OG名簿から最大2名までの連絡先を入手するといったさまざまな決まりがありました。OB/OGの負担や情報セキュリティを考えてのことですが、学生が気軽に活用しづらいのではと感じていました」(紀國部長)

しかしビズリーチ・キャンパスを導入したことで、そのハードルはぐっと下がりました。

「今までOB/OG訪問を躊躇していた学生も積極的に行うようになりました。移動時間や距離またそれにかかる費用による制限からの解放だけでなく、顔写真や事前の紹介文により初対面への不安も軽減できます。驚くことに、この半年間で20名ぐらいの訪問を受け入れた卒業生もいます。今までは3年生が中心だったのですが、このビズリーチ・キャンパスの公認化を知った1・2年生が口コミで伝え、幅広い学年で利用が広まってきました」

また、キャリアセンターが今まで手作業で管理していたOB/OGの情報も、ビズリーチ・キャンパス上で一元管理ができ(OB/OGの許諾を前提)、オペレーションが容易になりました。OB/OG側にとっても、情報更新は大学を介さずともオンライン上で完結できるようになり、より生きた情報がすぐに学生に届くようになりました。

「本学は3つのキャンパス(衣笠、びわこ・くさつ、大阪いばらき)があり、OB/OG名簿もそれぞれに保管しているので、変更があった都度、すべて印刷・差し替えが発生するなど事務手続きも多く発生していました。オンラインで完結するので業務効率が上がっただけでなく、個人情報を管理する上でのリスクの軽減や、ハラスメント等のリスクを未然に防ぐ機能もあり、学生の安全性も向上することができました」と紀國部長。

OB/OGからも、「今の学生の考え方を知ることができた」「優秀な学生に会い刺激を受けた」など、好意的な感想が寄せられているようです。

 

 
 
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大学ジャーナルオンライン編集部

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